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公開 ・ 04.06
2025.04.05 (Sat)
4月、朝。 ベランダに出て、ぼんやりと向かいのマンションを眺めていると、ふとあることに気がついた。 カーテンのない部屋が増えた。 そういえば最近、引っ越しのトラックをよく見かける。 当たり前の話だが、部屋が空かないことには引っ越しはできない。 しかし、考えてみればカーテンに強い個性を見出す人は少ないのかもしれない。 機能性を重視すれば、似たようなものに落ち着くのだろうか。 カーテンは、強い日差しを和らげるだけでなく、室内のプライベートを守るという重要な役割を担っている。 言い換えれば、個人の生活を外界から隠すための仕切りだ。その存在は、社会と個人の間にある種の境界線を作り出し、それぞれの領域を保つ上で欠かせない。 本来、隠すためのものであるはずのカーテンに、 もし過度な個性を主張するデザインが施されていたら、それはかえって周囲の目を引くだろう。 例えば、ずらりと並んだ窓の中で、たった一つだけ鮮やかなピンク色のカーテンがかかっていたとしたら、 誰もが一度は視線を向けてしまうに違いない。 しかし、逆説的に考えると、皆が一様に同じようなカーテンをかけ、まるで無機質な箱のように身を隠している光景は、どこか不気味にも感じられる。 それぞれの部屋には確かに人間が住んでいるはずなのに、そこから人間らしさ、生活の匂いが感じられないのはなぜだろう。 やがて、空き家になった部屋の窓にも、また新しい誰かの選んだカーテンがかけられるのだろうか。 それは以前と似たような無難な色柄だろうか。それとも、ほんの少しでも住む人の個性をお裾分けしてくれるものだろうか。 ぼんやりとした曇り空の下で、そんなことを考えていると、街の風景は静かに、しかし確実に変化し続けていることを感じた。
3939station
04.06
With the spread of light-blocking curtains, there seem to be fewer and fewer curtains that even have a pattern on the lining (the lining here is the side visible to the outside world). It is possible that each individual may be enjoying his/her own unique space inside the room with the pattern of the curtains. I would like to believe that there is not an inorganic box, but a fascinating personal space that is locked up inside like a treasure box.