字幕で観たが、初めて立て続けに計2回、吹替でも鑑賞してしまった。それくらい素晴らしい作品だった。これぞまさに『不朽の名作』。 　アン王女ことオードリー・ヘプバーン。非常に端麗で一瞬にして虜にされた。モノクロームなのに色褪せない麗しさ。王女として縛られうんざりした生活から解放されて、自由に歩き回るその生き生きとした様はとても健気でローマの街並みも相まって美しく魅了された。特に正体を偽っている2人が、真実の口で戯れるシーンは心が和みほっこりした。川に落ちた警官に浮輪を投げ入れる優しさや飛び込むときに鼻を塞ぐしぐさが可愛かった。 　ジョーがネタにするために共に過ごしたが、思いがけず美しい思い出になり、記事は書かず自分の中で留めるジョーが良かった。最後の記者会見で3人にしか分からない世界で交わすコミュニケーションも良かった。アーヴィングも写真を渡して世に出さなかったのも粋な計らいだなと思った。アン王女にとっても、一生の思い出に残る最高なひとときになっただろうな。 　素敵な作品に出会えて良かった。